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オリムベクスタ株式会社様 主催オンラインセミナーにてプレゼンを行いました

更新日:2022年8月2日

2020年10月21日(水)10時30分より、オリムベクスタ株式会社様が開催するオンラインセミナーにてプレゼンテーションを行いました。

オリムベクスタ様は、オリエンラルモーター株式会社が100%出資されたグループ会社で、多くの方が元オリエンタルモーターの営業経験者です。

オリエンタルモータ社の製品はもちろんのこと、モータと組み合わせて使う機構製品や制御機器、オリエンタルモーター製品だけではカバー出来ない、駆動機器なども販売するとても専門性の高い商社様です。

皆様、モータ及び機構・制御にいたるまで幅広く、そして深い知識を持っていらっしゃいます。


そんなオリムベクスタ様に、機会をいただき、ピエゾソニックモーターを1時間30分にわたりご紹介させていただきました。


以下、プレゼンテーションをまとめました


「高安全性」の定義と原理

人の近くで動く装置に使用されるモータに一番求められるものは「高安全性」にあると常々多田は主張しています。


弊社が考えるモータの高安全性とは、

● 電気が止まっても姿勢を保つ。倒れない。

● ノイズ・磁力で誤動作しない

この2つがポイントであると考えています。

電磁力を利用する従来のモータでは、電力供給が途絶えた場合の姿勢保持はギアやクラッチなしには実現できません。また、ノイズに対して高い耐性を持たせることも難しいです。 これに対し、ピエゾソニックモータは、駆動力に磁石やコイルを利用していない、駆動原理が新しいモータです。



電力ゼロで姿勢保持が出来る駆動原理とは

ピエゾソニックモータに関して、お問い合わせの多い質問です。

ピエゾソニックモータは回転型超音波モータと呼ばれるジャンルのモータです。その駆動原理は「圧電セラミックの伸縮運動を利用して回転力を発生させ、これを摩擦力で伝達」させています。

駆動原理は難しいのですが、イメージで言うと、圧電セラミックで発生した伸縮運動でロータに回転力を伝えるステータを海の波のように変形させます。その波の動きにつられて、まるで海にビーチボールを投げると波に乗ってボールがいったりきたりするようにロータが回転します。

回転信号が止まると圧電セラミックの伸縮運動が瞬時に停止するので、ステータとロータが密着した状態になります。ロータはステータとの摩擦により状態を維持するので、電力ゼロで姿勢保持が可能となります。

MRIなどの強磁場環境での利用

超音波モータは磁石やコイルを利用していないモータであるため、MRI等の高磁場環境での使用に適しています。

弊社のピエゾソニックモータでは、一般環境用モータと磁場環境を考慮した磁場環境用モータの2種類を用意しています。磁場環境用モータは、ネジやベアリングに至るまで非磁性材料で構成されています。


超音波モータに適した事例と既存製品からの置き換え時のメリット

一般的に超音波モータをDCモータやステッピングモータと比較すると、弱点といわれるのは寿命です。しかし、構造と素材から高耐久に成功したピエゾソニックモータは、間欠動作で考えればステッピングモータと遜色ない耐久性を実現しています。

また、バックラッシュが無く、ブレーキやクラッチを必要としませんので筐体の小型化と軽量化、部品を減らすことによるコストの削減に貢献します。


工場で使用するメリット

工場での使用に関しては、安全であるといえます。

例えばロボットアーム等に使用される場合、急な電力低下にたいして瞬間的に停止いたします。慣性による災害を防止することができます。


医療機関での活用

医療機関の使用に関しては、静音性と非磁性という特徴を活かした新装置の実現が可能になります。

MRI等の高磁場環境下における、静音性に優れた位置決め装置実現やMRI内で使用可能なサポート機器の開発も可能となります。



活用するメリット

活用するメリットをまとめると、ピエゾソニックモータへの置き換えは、


● 搬送力の向上(高トルク化・・・DCモータの5倍)

● 位置決め精度の向上による円滑動作(高精度化・・・0.025度以下)

● 電力ゼロをブレーキレスで姿勢保持(安全性の向上)

という価値を創造します。

また、これら特長のミックス技術による新事業の展開が期待できます。


利用事例・活用先

ピエゾソニックモータの利用事例としては、


直動機構:

● 1軸のノンバックラッシュ搬送装置

● 小型のXY搬送装置

等があげられます。


回転機構:

● 直交、回転位置決め装置

● 連続回転する計測機や無重力ブレーキ

等があげられます。


エンジニア様のメリット

ピエゾソニックモータの置き換えにより、エンジニア様は既存製品の高トルク化、精密な位置決め、最終製品の小型化が可能となります。


具体的には、


● 搬送力の向上

● 位置決め精度の向上による微細運動

● モータ占有領域の省スペース化による装置全体の小型化

● 静音化による労働環境の改善

● 防磁化による活用領域の拡大


を実現し、性能向上による顧客要求の実現に貢献します。


経営者様・購買担当様のメリット

既存製品の小型化、簡略化が実現可能ですので、結果としてコスト削減に貢献できます。

具体的には、


● 減速機が不要となり、部材管理コスト、在庫リスクの軽減

● 装置全体の小型化による総製造コストの軽減

● 静音化による顧客満足度の向上に寄与

● 防磁化による販売先の新規獲得

● 既存製品のMRI内用対応


以上のものを可能とし、コストを抑えつつ競争力のある新製品を開発可能とします。


質問コーナー

ここまで説明した段階で、第一回目の質問を受付ました。

「ピエゾの原理を使用して、音は静寂というお話をおうかがいしました。深くて大きな音が出るイメージがあるのですが、この超音波モーターはそのような音は発生しないでしょうか?」


全く無音かといえば、無音ではなく静音性をアピールしています。隣に誰かがいるとかしゃべっているという環境下ではほとんど音は聞こえません。

「超音波モータを搭載した精密ステージのラインナップを教えて欲しい。」


基本ラインナップという製品ではないため、お客様のご要望を確認してセミオーダー対応をしています。精密ステージ以外の製品についてもお手伝いできる体制を整えています。


ここでオリムベクスタ木村様から素晴らしい答えが


モータはピエゾソニック様をご利用いただき、ステージとして使う場合にはオリムベクスタにご相談下されば、組み合わせてご提案させていただきます!!

そうですね。何かございましたら、オリムベクスタ様へご相談ください。

最後に

ピエゾソニックではライナップしているモータの販売を軸としながら、モータを活用したカスタム製品の開発を承っています。この点が他社との大きな違いですので、開発したい案件があればオリムベクスタ様を通じてご相談ください。

以上が約1時間30分にわたるセミナーの概要です。


今回のセミナーでは、実質的な質問が非常に多くありました。私としては弊社製品に注目していただけていることが実感でき、嬉しかったです。 オリムベクスタ様には今回、このような場に参加させていただき、感謝しています。

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