2020年2月6日(木)、7日(金)京急蒲田にある大田区産業プラザPiOにて開催された、第24回おおた工業フェアに出展しました。
おおた工業フェアはここが違う!
地場の展示会ですが、出展社も見学者も、区内を中心とした優良企業。
そして、意識の高い訪問者が区の内外から集まるため、費用対効果のとても高い展示会です。
少数精鋭の弊社では、展示会の期間は会場に張り付く分、その人の仕事は当然、周りがサポートします。
そのため、誰にとっても会期中はとてもハードな1週間になるのですが、 超音波モータ(ピエゾソニックモータ)を売り込むだけでなく、大田区産業クラスタ形成パイロット事業プロジェクトに参加し、主導する立場でもある弊社にとって本展示会は、
通常の展示会以上に重要な展示会です。
昨年同様、2ブースでの出展のはずが・・・
1ブースの出展でも忙しいのに、2ブース出展を決めた直後、驚くべき事実がわかりました。
今年は、
新製品新技術開発コンクールの受賞による褒章出展として、1階でもパネル展示ができるブースをいただいたのです。
今回の展示会の中では唯一となる、3ブースでの出展となりました。
3ブース出展・・・笑顔で話す多田の話を聞いて、社内は一瞬ざわつきました。
準備、設置、なにより会期中の労力が3倍です。
しかし、決まった以上はやるしかありません。
忙しいことはわかりきっているので、バイトもパートも含めたスタッフ総動員で当たることが決まりました。
しかし、嬉しい話で、このところ好調のモータの納品が準備の時間を奪います。
そして、困ったことに?なかなか準備ができない中にもかかわらず、展示会が近づくにつれ多田はどんどんアイディアを閃いていきます。
ぎりぎり過ぎると思うのですが、前の週までアイディアを出し、作りたいもの短期間で作れる会社を見つけ、部品や加工品を次々と発注していました。
「もういいんじゃないかな?」と思うのですが、
エンジニアの性格なのか、閃いた以上、ぎりぎりとはいえ形にできるのなら、形にしないと気が済まないみたいです。
忘れられないので書いておきますが、
今回は駆動箇所の仕様を大幅に変更したMighty2.0号機をお披露目することを計画していたのです。
しかし、設計変更と部品調達の難しさから、実際の組み立ては予定日を過ぎても全然始まりませんでした。
やっと部品が集まったのは展示会前日の2月5日
朝9時から多田、バイトの小池君と馬場君でMighty2号機の組立作業が始まりました。 ※私は午前中は自宅で作業していたので出社後に話を聞いています。
ギリギリのスケジュールで大阪の工場で作っていた2号機の試作ボディー(3Dプリンタによる)が届きました。
といっても、宅配業者を使うと間に合わないスケジュールで依頼していたため・・・
ボディのデザインで協力していただいているテクノフロント内「ファクタスデザイン」の鉢呂社長が、わざわざ大阪まで車を走らせて引き取りに行ってくれたのです。
ボディーはここから展示会の朝、ぎりぎりまで仕上げ作業が続きました。
続いて協力メーカ様である「テクノロジーリンク」 黒尾社長様と一緒にMighty2号機メインフレームが到着。
更にテクノフロント内の「竹野入工業」様から足回りの部品が到着と、続々と部品が揃っていきます。
多田は16時から都内で打ち合わせが入っていたので、途中で一度抜けましたが、その間には、「中央大学」の前田先生も加わり、黒尾社長、馬場君と小池君と4人はひたすらにMighty2号機の組立です。
本当にこの時はクラスター事業として技術の粋を集結させた製品の生まれていく過程を見ることができました。
『大田区の力ずくのものづくり』と、『Piezo Sonic(というか多田の)の尋常ではない巻き込み力』をまざまざと感じました。
そこからは展示会当日の朝6時まで、休憩もそこそこに、Mighty2号機の組立が進んでいきました。
ちなみに多田は3日連続でほぼ徹夜の作業です。
6日にはプゼンテーションもあるのでその準備にも追われていました。 ※私は17時には展示会場への搬入で会社を出て、その後は会場近くのカフェで仕事をしていたため、ここからはまた聞いた話です。
想いを形にする
MightyシリーズはPiezo Sonic、中央大学、テクノロジーリンク、ファクタスデザインの4組織で設計・デザインが進められているのですが、
その最終形は、Piezo Sonic、というより多田の頭の中にしかありません。
それなのに、黒尾社長や前田先生が加わり、Mighty2号機がどんどん組み上がっていくのは「本来こうあるべき」というエンジニアの共通美学があるからかもしれません。
・・・というものの、実際はその場で話し合いながらの組み立て作業という面もあったようです。^^;
本体を組上げた後に電装系を組み上げ、期待してロボットに乗せて動かすと、動かない・・・
不具合個所を探して修正。直したと思って動かすと、別の場所に不具合が発生。
そして、これがなおる頃には、
もっと良い接続や格納の仕方が閃く。
試しに調整すると・・・
不具合発生!
これの繰り返しだったようです。
開発はこの繰り返しだからね。だから思っていた以上のものが出来上がるし、そうなった時が、心から気持ちいいんだよ!
時折、多田が言うこの言葉、響いたのかな?
馬場君は終電で帰りましたが、小池君は朝6時まで多田に付き合って最後まで製造に取り組んでくれました。
アルバイトでありながら、「今日は終わるまで付き合います」と言っていたのを聞きながら私は会社を後にしました。
彼のことはよく理解しているのですが、さすがに今回は、良くて22時かな?くらいに思っていたので、その有言実行の行動力と根気には頭が下がりました。
やっと組みあがったMighty
今回、足回りの仕様がだいぶ変わっております。
1.6号機
2.0号機
実は、2号機が完成するまでは、1.6号機とそれほど変わるものではないだろういと思っていました。
しかし、その思いは簡単に裏切られました。
見てください。この2号機の機能美すら感じる美しいフレームの構造(多田談)。
ステアリング機能のために弊社のピエゾソニックモータもそこにあるのが当然のようにさりげなくフレームに組み込まれています。
2号機のモータはマブチモーター様の新型モータを提供していただき、タイヤについても完全新設計です。
展示会が始まりました
朝6時半~
多田が自宅に一度着替えに戻った際、小池君は1時間ほど、事務所で仮眠をとり、サイクルシェアリングの自転車を借りて会場入りをしたようです。
9時半
全員がPiOに集合して準備が始まりました。
10時
いよいよ展示会が始まりましたが、11時半まで多田は新製品新技術開発コンクールの受賞式で不在です。
11時半
多田が帰ってきた!と思ったのも束の間、授賞社交流会に参加するとのことで、写真だけ撮ってまた出かけました。
受賞社交流会のパーティーでは、下町ボブスレーのハートフルジャパンさんをはじめ区内の優良企業の皆様と交流を重ねられたようです。
13時
多田がブースに戻ってきましたが 着信が10件くらいあったようで、その後しばらく電話をしていました。
14時57分
予定より約15分遅れて受賞記念のプレゼンテーション。
新製品新技術開発コンクールの受賞だけでなく、昨年、モーターとしては8年ぶりに受賞したGOOD DESIGN賞の触れ込みもあり、多くの聴講者が集まっておりました。
駆動の仕組がなかなか難しいモータですが、聴講者の方の製品に対する期待やイメージみたいなものがとても高いということが見て取れました。
最後、「実際のものはブースで見られますよ」と終わったので、終了後、プレゼン会場の手前にあるブースはあっという間に人だかりでいっぱいした。
あとは17時まで、休みなく、ブースを訪問してくれた人を全員で対応するという時間でした。
ロボットは、今回2台あるから、別々の説明を求められ、説明も倍だった様です。
17時半
終了後、小池くんの安堵と疲れ切った表情が印象的でした。
今回、たくさんの協力をしてくれた小池君と馬場君についてはこの場を借りて改めてお礼を伝えたいです。
最後に
新製品新技術開発コンクール受賞の褒章として、2020年、国内の展示会であればどこでも1回分、大田区が費用を負担してくるとてもありがたい賞をいただきました。
そして、いくつかの展示会を検討したうえで、10月に大阪の機械要素展に決めました。
大阪を中心とする、関西圏の皆様にたくさんお会いできることを楽しみにしております。
そして、大田区の代表として、区内の皆様にとって誇らしい製品を提供する、誇らしい会社に成長していきたいと強く感じています。